藤沢 晃治『「分かりやすい文章」の技術』

文章作成に関しての本は以前にも何冊か読んでいる。この文章を書いている今も机に置いてあるものとして木下是雄『理科系の作文技術』や本多勝一『日本語の作文技術』がある。どちらの本も良い本だと思う。前者は役割・対象・主題といったものから事実と意見との書きわけといったものまで、作文技術について理科系の〜という題にふさわしく隙なくまとめられている点、後者は句読点や修飾語についての理解を深められる点で良い本だと思う。

本書は先に挙げた二冊に比べるといささか軽い感じがする。しかし、それは決して悪いことではないと思う。なぜなら、本書を読む読者が求めるのは、すぐ使える技術だと思うからだ。そのためにはある程度の軽さ――読みやすさ・分かりやすさが求められるのではないだろうか。

本書に対する私の評価は、良く言えば「いいとこどり」、悪く言えば「よせあつめ」である。

しかし、たかだか170ほどのページ数に詰め込んだ量としては評価できると思う。十分に「分かりやすい」ものになっていたことも良い。「分かりやすい文章」の一番の例は『「分かりやすい文章」の技術』と言っても、さほど間違ってもいないと思う。

参考文献として挙げられているものをもっと読みたいと思った。