福田 健『人は「話し方」で9割変わる』

人は「話し方」で9割変わる (リュウ・ブックス―アステ新書)

人は「話し方」で9割変わる (リュウ・ブックス―アステ新書)

まず思うのは会話についてを文章で表すのは難しいと思う。会話の例は文字で表現されているのだが、実際の会話での和やかな雰囲気などが伝わってこないものがいくつかあった。ただ筆者の会話を想像する能力だけはほめておきたい(妄想乙的な意味で)。

印象的だったものを挙げておく。

まずは「話は受け手が意味を決定する」という話。


「お土産なんか買ってこなくていいからな」(p.29)

気を使わなくていいよというつもりだったらしいが、受け手はお土産を頼むという意味だと決定したという例で出ていた。京言葉のぶぶ漬けのようなものだろう。

「聞く」は受動的なものではなく能動的なものだという話。


聞くは、話し手の発信を受けてそれを聞くという性質上、「受け身」に捉えられやすい。ところが、「聞く」はそれを通して、話し手の発信に、強い影響を及ぼすのであって、聞くこと自体、「受け身」ではなく「能動」なのである。(p.125)