石原 千秋『大学生の論文執筆法』
- 作者: 石原千秋
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 新書
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ちなみに、この文章は「文科系(中でも文学好き)の大学生か大学院生が読者層で、軽いエッセイのノリ」という設定だ。(p.15)
本書を説明するには、この一文が適当だと思う。第1部「秘伝 人生論的論文執筆法」は読んでいて「この本は論文執筆法……だったよな?」と表紙を確認してしまった。それというのは第1部の後半はほとんどが雑学で、これがどう論文執筆法と言っていいものか分からなかったからだ。内容が面白くないわけではないし、脱線を気にせず軽く書いているのだろうというところで落ち着いた。雑学は本や読書に関するものが多かった。私は「フランス装」について知らなかった。
第1部の最後に宿題が出ていた。
最後に、学生諸君に宿題をひとつ。この第一部の奇妙な形式は、ある有名な哲学書を真似ている。翻訳は文庫では岩波文庫とちくま学芸文庫から出ている。文科系の学生なら、学生時代にその本を買って、パラパラ読むことぐらいはしてほしい。(p.128)
分かりそうにない。
第2部「線を引くこと――たった一つの方法」は二項対立のお話。論文の書くにあたって、誰にでも使える考え方として二項対立が良いという判断なのだろう。