井上 ひさし『ブンとフン』

二冊続けて井上ひさしである。『日本亭主図鑑』もそうだったが、駄洒落というか語呂合わせというか言葉遊びというか、音をうまく使った言葉が多い。「軽い・騒々しい」という印象もある。

『ブンとフン』だが既視感があるのはきっと小松 左京『明日泥棒』と似ているところがあるからだろう。ブンもゴエモンも両方とも泥棒の類だし、なんでも自由自在だし、変だが妙にひかれるものがある。

のりしろやキリトリ線が出てきた。のりしろがついた文庫本をはじめて見た。

歌が出てきたり、ドタバタな感じが、先にも書いたように「騒々しい」という印象を与えたのかもしれない。