『世界は密室でできている。』舞城 王太郎

世界は密室でできている。 (講談社ノベルス)

世界は密室でできている。 (講談社ノベルス)

今日の一冊は『世界は密室でできている。』舞城 王太郎。なにがきっかけだったか忘れたが、おそらく、どこかで表題を見かけて「読みたい!」と思ったんだと思う。図書館で借りた。

表題から、てっきり本格ミステリかと思ったんだけど*1、まったくそんなことはなかった。事件の状況も、そのトリックも、突拍子もない。

事件が出てきたかと思ったら、ルンババがとんでもないトリックをサクっと解説して解決する。具体的に書くとネタバレになるので避けるが、普通、信じられないような状況が出てきたら、現実的なトリックで、納得できるところに「落ちつける」ものだと思う。でも、本書は信じられない状況を、信じられないトリックで、納得できるところに「押さえこむ」。そういうイメージ。

それを不愉快だと思うか、思わないかで、本書の評価は分かれると思う。話全体で見たときに、必ずしもうまくまとまっていると言えない気がするのも、評価の分かれめか。とにかく読者を選ぶと思う。

私はこういう感じは、割と好きだから。良かったと思う。税別760円。良い。

*1:いつものように前提知識もなにもなく、直感で本を選んでいるから、こういう感想が出てきます