一日一冊『いつも時間がないA君と片づけられないBさんへ』サニー・シュレンジャー, ロバータ・ロッシュ, 藤本 直

いつも時間がないA君と片づけられないBさんへ

いつも時間がないA君と片づけられないBさんへ

今日の一冊は『いつも時間がないA君と片づけられないBさんへ』サニー・シュレンジャー, ロバータ・ロッシュ, 藤本 直。図書館でふと手に取った一冊。

この本で重要なのは、なにかとプログラム的なところだ。

第一に題がそうだ。時間がない〜、片づけられない〜。これは、それぞれ時間効率・空間効率であり、プログラムの最適化で注目される点と同じだ。つまり、時間と空間を効率よく利用できれば、生活(?)を最適化できる。そういうことだろう。

次を挙げるとすれば、タイプ分類がそうだ。これはプログラム的に考えれば分割統治というものだ。時間・空間という二点について書かれるわけだが、それでは漠然としすぎている。詳細化するためにも、分割してやる。タイプに分類する。時間で言えば、ホッパー・完璧主義・アバウト・優柔不断・崖っぷちの五つ、空間で言えば、収納拒否・潔癖収納・病的整理魔・ずぼら・ため込み魔の五つ。五つというのは分かりやすさを重視しているのだろう。多すぎてもややこしいし、少なすぎると適切な分類ができない。これくらいあればいい、とそんな風に選んだに違いない。大きな問題は小さな問題に分割してやる。基本中の基本だ。

あと、細かい点で言えば、チェックシートを使って点をつけ分類に使うといったやり方や、流れを説明するためにフローチャート(流れ図)を使っているあたりもプログラム的かもしれない。

書き方ばかりに触れてもアレなので、中身の話。タイプに分類したあとは、それらのタイプの問題点を挙げ、それをどうすれば良くなるかが具体的に書かれている。たとえば、なんでも見えるところに置いてしまう収納拒否タイプであれば、ものごとの境界線を引き、きっちりと分類してあればうまくいく、といった風だ。陳腐なものが多い気がした。

途中、どう見てもGTD(Getting Things Done)にしか見えないものが出てきて驚いた。GTDは2002年、この本は2003年なので、まあ、そういうことだ。似たような考え方があるなら、きちんと紹介すればいいのにと思う。

税別1300円。二冊に分けて新書化で、一冊650円。うーん。そう考えると悪くもないような。ただ、時間・空間でひとまとまりというのに関しては異論がないので、二冊にするといまひとつになるかも。