一日一冊『すばらしい数学者たち 改版』矢野 健太郎

すばらしい数学者たち (新潮文庫)

すばらしい数学者たち (新潮文庫)

今日の一冊は 『すばらしい数学者たち 改版』矢野 健太郎。衝動買い。こだわりはない。

「もし、学校で習う算数や数学を面白くないと思う人があれば、それは数学をある一つの面だけから眺めているからだと私は思います。」そんなまえがきから始まるこの本では、数学を教えるのではなく、学校で面白くない気持ちで覚えたであろう公式、それらを生み出した人たちを描いた本だ。

確かにうたい文句の通り、面白い。授業で「こうやってこうすることによって、これが導けるのだ」と教えられるときには、いかにも必要なことだけを、という風だ。この本は違う。大いに寄り道をしている。ガロアの波瀾万丈の一生など、必要のない知識だ。しかし、その寄り道のおかげで、面白い。まったく、まえがきの通りだ。

ただ、読んでいて思うのは、やはり数学的な文章というのは、それだけだと非常に分かりにくいことが多いということ。図がついていなかったら、たぶん途中で投げてしまうと思う。この本では、図はもちろん、挿絵も悪くなかった。

おだやかな気持ちで読めた。税別438円。ハンパなので400円にしてほしいけど、値段に対して、そんなに不満はない。良かった。