一日一冊『ロボットの心』柴田 正良

ロボットの心-7つの哲学物語 (講談社現代新書)

ロボットの心-7つの哲学物語 (講談社現代新書)

今日の一冊は 『ロボットの心』柴田 正良。たまには、予約やらなんやらせずに、図書館を利用してみる。読みたい本もなく、なんとなくで本棚を眺め、面白そうなタイトルを見たら、それをパラパラと数ページめくってみて、良さそうなら借りる。衝動借り。本屋で、こんなことをずっと続ければ、すぐにお金がなくなってしまう。図書館だからこそ。要はそれほどのこだわりもなく、ただただ、なんとなくで借りた一冊だということ。

ロボットが心を持つことはできるか。心を持つとはどういうことか。心はどんな風にできているのか。感情は必要か。など、チューリングテストやフレーム問題などにも触れながら、幅広く、ロボットの心について書かれている。

計算機を人間にしていくと、結局計算機らしさというか、計算機のメリットが損われてしまうんじゃないかと思った。感情を持ったり、重みづけによって情報をある程度切り捨てたり、そういうことを積み重ねていくと、結局人間と同じか、それ以下のものが出来上がってしまうんじゃないかと、思った。

大きなテーマは「ロボットに心は持てるか」ということなんだけど、それについて書かれる課程で、出来上がる内容は「心を計算機で実現するために、その構造を整理することにほかならない」のだなと感じた。

税別680円。値段としては良い具合だと思う。なかなか面白かった。