一日一冊『ボッコちゃん』星 新一

ボッコちゃん (新潮文庫)

ボッコちゃん (新潮文庫)

今日の一冊は『ボッコちゃん』星 新一。中学生の頃、「朝の読書時間」というのを学校側が設定したのだけど、誰も本を持ってこなかった。それを見た担任が、「僕は星新一が好きなんです」なんて言いながら、たくさんの星新一の文庫本を持ってきた。その中に、この本も含まれていた。確か、私は先生の持ってきたそれらのほとんどを読んだはずなので、この本も一度は読んだことがあるはずだ。

大体は電車で読んだのだけど、電車向きだなあと思った。一つ一つが短いので、区切りよく読み切れる。ありがたい。

ぐいぐいと設定を押し込んでいるような書き方だなあと思った。登場人物(エヌ氏やエス氏のイメージ)の言葉が設定の説明文みたいになっている。テンポよく話を進めるための工夫なのかな。

どれも良いのだけど、特に印象的だったのは、『おーい でてこーい』と『おみやげ』。『おーい でてこーい』は、不思議な・便利な穴を見つけたときの(都会の)人々の行動を描いている話。『おみやげ』は教科書にも出ていた、宇宙人の残した技術のつまった卵を描いた話。

税別476円。まあ、悪くはないけど、中古やら買いたいというか、ちょっと汚れた感じの本で読みたいなと思ってしまう。変かな。