貸し借り

貸し借りが嫌いだ。金も物も。

「持ちつ持たれつ」だとか「困ったときはお互い様」だとか言うけれど、信じられない。相手が困っているときに助けなきゃならない、なんて足かせでしかない。自分が困っているときに助けてもらえる、なんてそんなのわずらわしいだけだ。助けてくれなくていいし、助けたくもない。

人情はそれ独自の常識を持っている。この場合はああすべき、あの場合はこうすべき、といった作法に、常識にのっとって行動できないといけない。その常識に従えない者は、人情という輪から、はじきだされる。仲間になれば、困っているときに助けてやるよ、とそういう集団とも見れるし、暗黙のうちに出来あがった教えに従う宗教のようなものとも見れると思う。つまるところ、中学高校の自分に私を散々苦しめた「友達グループ」と何も変わらない。私は、そういった集団に加わることや、それを当然と考えている人間を嫌だと感じるのだ。

ところで、貸し借り云々の話になったのは「レンタルのためのカードを作った」という、ただそれだけのことだったりする。

貸し借りというのは、貸したら借りれることを期待できるし、借りたら貸すことを期待される。それが、先に書いた人情がどうとかいう、どうでもいいくだりなのだが、今日作ったそのカードの場合は違うようだ。この場合は、借りるために、まず金を求められる、後払いの親切などは必要ない。

これは、まったく気が楽でいい。