一日一冊『空気の研究』山本 七平

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

今日の一冊は『空気の研究』山本 七平。友人が借りてくれと言うので、図書館で借りた。私は特に読む予定はないし、私の管理の下、友人に好きにさせていたが、返却日の前日になったので、止めさせた。どうやら読み終えられなかったらしい。「どこまで読んだんだ?どんな内容だったんだ?」と聞いてみたが、人工的空気醸成がどうたら自然発生的空気なんたらがどうたらと、とにかく要領を得ない回答だった。すっきりしないので自分でも読むことにした。だらだらと書いてしまったが、これがこの本を読むまでのいきさつであり、読むことになったきっかけだ。

空気と言えば、最近よく使われるキーワードのようだが、この本は思った以上に古い。第一刷は1983年だ。立方体の顔をしたスーツの男がたくさんならんだ表紙。友人がなにをきっかけにこの本を知ったのかよくわからない。

内容は、題のとおり「空気の研究」だ。窒素とか酸素とかのあれではなくて、場の空気などの空気のことだ。その実体をみきわめようとしている。

友人の説明が要領を得ないものになるのがよくわかった。言葉の定義がやたらと多く、それらはみな漢字がだらだらと続くものだし、題やその表紙からは想像できないほどヘビーな内容だからだ。ぼんやりと読むと本当に、そういった単語しか頭に残らないなと感じた。私もぼんやりと読んだので、ちっとも内容を理解できた気がしない。

説明のための例がひんぱんに出てくる。しかし、古い本だけあって、例も相当に古い。古くない例でも聖書やらなんやらで完全に私の興味の外だった。なんだか本題を補強するためと思われる記述が長い長い。もう何の話をしてるんだか、ぼんやり読んでいる私にはちっともわからないのだ。

日本は空気に支配されている。空気を敏感に察することができ、そしてその空気に取りこまれる。空気に支配されてしまうと、もう論理的では居られない。おおよそこんなところだろうか。これがなぜ起きるのかの根拠などで宗教やら歴史やら謎の造語が山ほど出てくる。

定価300円。ジュンク堂の値段だと438円で食いちがってるな。値段変わったのかな。理解できるなら300円は安いんだろうな。よくわからないので、とりあえず300円で良いと思う。