一日一冊『地底迷宮 上巻』マーク・サリヴァン, 上野 元美

地底迷宮〈上〉 (新潮文庫)

地底迷宮〈上〉 (新潮文庫)

今日の一冊は『地底迷宮 上巻』マーク・サリヴァン, 上野 元美。図書館で適当にとった。何も考えずに選んだ。電車枠として選んだ薄い本だったんだけど、予想以上に読むのに時間がかかった。

なにやら降りていく人のシルエットが描かれた表紙は、いかにも地雷だ。

ある日、月の石にすごい力が秘められていることを物理学者が発見した。しかし、その学者は手柄を奪おうとした教授を殺害し、囚人になる。物語の舞台は洞窟。巨大な地下迷宮。主人公は、洞窟探検家で一児の母。NASAの月面採掘計画の訓練のために洞窟探検が利用されることになり、夫がプロジェクトのリーダーに抜擢される。物理学者を含む囚人たちが脱走し、月の石を隠した洞窟に向かい、夫と娘を人質にとる。そんな感じ。

毎年のようにやってくるハリウッドの自称衝撃作、そんなにおいがする。展開やら演出やらがいちいち、どこかで見たことのあるような「もういいよ」なものになっている。文字で読む必要性を感じないというか、2時間映画で金曜ロードショーにでも放送してくれればいい。

主人公は母だと思うんだけど、あんまり自信がない。夫・娘が人質に取られるという展開を作りたいがためのトラウマ(過去の事故のせいで、洞窟が怖い)があったりで、まだなにも活躍していない。本当にどうでもいいトラウマだ、「家族を心配する気持ちやらなんやらで克服」てな、いかにもご都合主義な処理で終わらされるぽい。もしかしたら、作者の都合で、また出てくるかも。もう出てこなくていいけど。

税別590円。240円くらいかな。DVDを借りるくらいの気持ちで。まだ下巻があるんだよなあ。なんとなく展開が見える感じが嫌だわ。