はじめての免許更新

はじめての免許更新。わざわざ、この日のために眼鏡を作った。おかげで視界良好。バスから見える景色もくっきりだ。ところが、なぜか看板を見落として試験場の方に行ってしまった。恥をかいた。見えているから見ているとは限らない。似たようなことを高校時代の先生だかに言われたような気がする。まあいい。準備は万端。いざ、更新センター。

平日だから少ないと思っていたのだけど、そこそこ並んだ。準備した視力検査は意外とくだらないものだった。自分の五人くらい前から、ずっと様子を見ていたのだけど、どうやらずっと同じ方向しか出さないようだ。みんな一様に「右、下、左」だ。これが検査か。これなら目をつぶってもできる。ばからしく感じた。

初回講習は2時間だった。映像とテキストで解説された。前の席で大男がずっと寝ていた。左手の薬指に銀色の指輪をしていた。いびきこそ、かいていなかったが、人の話を寝ながら聞くなんて器用なやつだ、と思った。聞こえているだけかもしれない、とも思った。だらだらと長い講習だった。大男は、講習の終わる5分前に目を覚まし、私よりも早く席を立った。

交付の順番を待った。名前が呼ばれて、受け取りに行く。受け取ったら、大した礼もなしに更新センターを立ち去る。散り散りになる。駅のホームで帰りの電車を待っていて、疲れがきたのか、ぼんやりしていて、電車に乗り損なった。

新しい免許証の写真もまた相変わらずの間抜け面だった。