『人体模型の夜』中島 らも

人体模型の夜

人体模型の夜

今日の一冊は『人体模型の夜』中島 らも。ウェブで見かけて図書館で借りた。

真っ青な空と海、そこに天使が描かれている。裏表紙にもそれは続いていて、そこには月と緑色をした島が描かれている。装画 ひさうちみちお、意匠 岡邦彦、だそうだ。章ごとに小さな絵柄がついていて、おしゃれだなと思った。

偶然だけど、全体としての雰囲気は『恐怖同盟』と似て、じんわりと怖い、そういうものだった。怖いんだけど、どことなく「ばからしい」感じがするのは何なんだろう。日本昔話に出てくる幽霊、そんな感じ。

話にオチがきっちりつけられている。うやむやな感じには終わらない。話自体はそこそこに怖い内容であっても、オチですっぱりと(怖さを)切られるようだ。素直に読めて、面白い。

税別1400円。表紙と中身のつながりがよくわからなかった。プロローグ・エピローグの人体模型の描写もあってか「不思議な雰囲気を持つ本」という印象が残った。