一日一冊『恥ずかしい読書』永江 朗

恥ずかしい読書

恥ずかしい読書

今日の一冊は『恥ずかしい読書』永江 朗。「読書のための読書」という一つ上の視点で、メタな読書をしてみようと、しばしば思う。つまりは、読書について、もっと楽しむための方法があるのではないか、もっと良い読み方があるのではないか。そんな風に思い、自信をなくすことが、しばしばあるということだ。

タイトルから「恥ずかしい読書も良いものよ」とそういう内容だろうなと想像した。大体間違いはなかった。

本の読み方。読書についての5W1Hが詰め込まれているように感じた。誰が。筆者が。何を。哲学書から官能小説まで。いつ。歯磨きしているとき。どこで。机に向かって、散歩で、電車で、トイレで。どうして。頭をギアチェンジするために。どのように。線を引いたり、ふせんをつけたり、ファインダーを覗いたりしながら。どれも一例。筆者の色々な読書が出てくる。話は、本棚や書店やスクラップなどにも及ぶ。

装丁はシンプルだけど、手抜きな感じはしない。行間はそこそこゆったりとしているし、文字もそんなに小さくない。読みやすい。表紙は赤と黒の二色なんだけど、なぜだかカラフルに見える。表紙のすぐあとの写真のせいかもしれない。文章は当然として、装丁にもこだわっているのだろうか。

図書館で借りた、この本には、赤ペンで落書きがされていた。本への書き込みを許容する(もちろん自身が所有する本のみ)筆者の本に落書きとは……。

個人的に気になったのは、「トイレと読書」で書かれていた「トイレでもの食う人びと」という項目。筆者は実際に遭遇したらしい。これはWikipediaから削除されたという「便所飯」じゃないのか。まさか、読書のための読書をしていて、便所飯の体験談を見ることになるとは思わなかった。

税別で1300円。悪くない。最近、本に対する値段の感覚がかなり変わってきた。筆者も「本は安い」と書いていたが、私も本は割安だなと感じている。ただ、本を買うと場所が居るので、どうやって処分していこうかなと検討中。それについても書かれていたけど、あんまりだらだら内容を紹介してもイマイチなので割愛。気になったら、読めば良いと思う。