一日一冊『ノルウェイの森 下』村上 春樹

ノルウェイの森 (下) (講談社文庫)

ノルウェイの森 (下) (講談社文庫)

今日の一冊は『ノルウェイの森 下』村上 春樹。上巻の続き。上巻の際には書きわすれたが、上巻もこれも図書館で借りた。上巻とは色が異なる。上巻が赤の波線だったのに対して、下巻は緑の波線だ。

上巻もそうだったのだけど、なんだか驚くほどあっさりと読めてしまうと感じる。風みたいに、すっと通り過ぎてしまうような、水みたいに染み込んで消えてしまうような、あっさりとした感覚が残った、いや、これは何も残っていないのかもしれない。心にひっかかるようなものがなくて、すっと流れていってしまった。消えてしまった。そういう感じだ。

主人公が緑と直子の間を行ったりきたりして、緑を選んで、直子が死んでって、そんな話。たくさんの登場人物が、あっさりと消えていく。あっさりと消えていったかのように書かれている。第十一章の冒頭で直子の死が書かれたときは、落丁を疑った。主人公が大したことと感じていないからか、流してしまいたいことと感じているからか、それともほかの理由か。よくわからないけど、とにかく、あっさりと消えていく。

軽く読める、そこそこ面白い、性の描写がきつい。税別で467円。ページ数が減っているのに、値段が上がっている。上下合わせて900円程度なので妥当。割安。