行きも帰りも下り電車だった。私は電車にゆられていた。ガラスを反対向きに流れる電光掲示板の文字や、その向こうに見える真っ暗な街を眺めていた。同じ方向なのに、行きと帰りでは、気持ちがひどく違っていた。自動ドアの脇にある手すりをつかみ、夜の街に…
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