一日一冊『ロリヰタ。』嶽本野ばら

ロリヰタ。

ロリヰタ。

今日の一冊は『ロリヰタ。嶽本野ばら。タイトルで借りた。どこかで見たことのある名前だなと思ったら、『下妻物語』の人だった。

思いきりネタバレする。

主人公の好むロリータは、いわゆるロリコンのそれではなく、ウラジーミル・ナボコフの小説でもなく、ロリータ・ファッションのそれだと、冒頭で語られる。ロリータ・ファッションのカリスマであり、作家である主人公は、とあるモデルに恋をする。その相手は、実は小学生でした。そんな話。

要約すると、「おれはロリコンじゃない、ロリコンは敵だ」と言ってたやつが、ロリコンになっちゃいました、ってこと。

小学生の言葉・行動に違和感を感じる。それぞれの登場人物に命がないというか、どうも一人の頭の中に居る人たち、そんな風に感じる。話の都合に合わせて発言・行動しているように感じてしまう。きっと、小学生ぽくない、そもそも女性としてもリアルじゃない。それこそ、小学生の女子という設定をつけられたロボットだかマネキンという感じがする。作者の妄想に従って行動しているように感じる。

つまり、「イタい」「電波」とでも言いたくなるような、登場人物の行動を、リアルなものとして受けとれないので、とりあえず「作者の妄想乙」というところに落ちつけたくなったということ。

登場人物にはいちいちイライラさせられるが、展開はそこそこ面白いと思うし、イタさを楽しめるなら、言動もまた面白い。色んな意味で真似できない言動は楽しめた。

1400円はない。640円、いや、960円くらいかな。