一日一冊『ライト、ついてますか』ドナルド・C・ゴース, G.M.ワインバーグ, 木村泉

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

今日の一冊は、『ライト、ついてますか』ドナルド・C・ゴース, G.M.ワインバーグ, 木村泉。色々なところで見かける有名な本なので、以前から一度読みたいと思っていた。

問題について書かれた本は多いが、この本は特に問題の発見に重点をおいている。問題の発見とは、誰の・何が・なぜ生じたのかなどの問題の定義をすることを通じて問題自体を見つめて、「真の問題」を探すことである。決して、目の前にある問題を解決しようとすることが問題を解決するための良い手段ではない。(真の)問題を発見することは、(目の前にある)問題を解決することよりずっと難しく、そして重要なことだと書かれている。

表紙は、ライトとそれをつけようとする人と抜けたコンセント、コンセントを見つめる薄い影。「(真の)問題の発見」ということだろう。

全体を通じて感じることは、きっと良い本なのだと思うのだけど、とにかく読み辛い。ひさしぶりに訳本を読んだせいか、とにかく読み辛いのだ。重要な部分が太字になっているのだが、それでもちんぷんかんぷんだ。本の構成が体系的にまとめるタイプではなく、「小さなお話を並べて、その中に筆者の言いたいことを入れる」という形なこともあって、そのお話の設定をしっかりおさえていないと理解できない。お話の設定が、どうでもいいジョークと日本語訳の中で話されるために、読み辛い。もっとじっくりと読めば良い本なのだと思う。でも、私はもう読まない。

タイトルになっている「ライト、ついてますか」のお話は単純で分かりやすかった。言いたいことは、太字にもなっているが「もし人々の頭の中のライトがついているなら、ちょっと思い出させてやる方がごちゃごちゃ言うより有効なのだ」ということ。標識に長々しい説明を書く必要はない。ただ一言「ライト、ついてますか」で通じるのだ。分かりやすいのだが、どうもそのお話がある第4部の主題「それは誰の問題か?」に合っていないような気もする。でも、もうどちらでもいい。私はもう読むことはないからだ。

2000円は高い。940円。