一日一冊『桜川ピクニック』川端裕人

桜川ピクニック

桜川ピクニック

今日の一冊は『桜川ピクニック』川端裕人。ピンクと緑と水色の鮮やかな表紙が印象的。「桜川ピクニック」というタイトルにしっくりとくる。そこに「川端裕人」の名前。ああ、『夏のロケット』の人か。ちと読んでみるか、そんな流れ。

父親と育児を描いた短編集。

子どもの描写も、悩む父親もすごくリアルに書かれているように感じた。筆者について詳しくないんだけど、普段から、そういう体験をしているのかもしれない。子どもらしい様子、たとえば「ものをはっきり言えないこと」からくる謎の言葉や、知識量からくるとんでもない仮説。それらをうまく使った話はどれも生き生きとしていた。

父親の視点で描かれているのだから、そこに共感していくのが良いのかもしれないけど、どうもピンとこなかった。どちらかといえば、先にも書いた、子どもの行動が目についた。

「子どもっていいな」と改めて思った。そこそこ面白かった。1238円はまあ良い値段だと思う。