一日一冊『日記をつける』荒川洋治

日記をつける (岩波アクティブ新書)

日記をつける (岩波アクティブ新書)

今日の一冊は『日記をつける』荒川洋治。自分が日記をつけていることもあって、日記について何か面白い考え方などが見つかると良いなと思い、ちょうど目につくところにあったので借りてみた。

日記について知り、つけることを楽しもう。そういうことが書かれている。どんな日記があるのか、いつどこで何をつけるのか、どんな風につけるのか、日記から何が生まれるのか、日記を振り返ることだ。読んでいると、話題がばらけているように感じたが、こうして章をまとめてみると、きれいにまとまっていると思った。

印象的だったのは、書名にもなっている「書く」ではなく「つける」という言葉を選んでいるところ。書くことよりも、つけることは形式に制限がかかるが、書くよりもつけるのほうが、「あとに残す」という意味合いが強くなるかららしい。

日記は、主に(例外も紹介されている)自分のためにつけるものなので、自分の好きなように書けば良い、できればあとで見たときにわかることが良いが、楽しくなくなるのであれば、そこまでしっかりと書かなくても良い。こういった姿勢がすごく楽で、読んでいてほっとする。楽しいことが一番。日記から得るもの(記録としての側面や、文学的な側面)はもちろんあるが、二の次。自分のためのもので疲れても仕方ない。楽な気持ちで、楽しめる範囲で、つければ良い、さらにそれが役立てればなお良い。この姿勢が許しているのが良いなと思った。のんびり読める本だなと思った。

気になったのは、媒体として紙を前提として考えている点だ。見ればわかるように、私はPCで、Webで、日記をつけている。できれば、そういった人も居ることを考慮してほしかた。

700円。300円から400円程度。悪い本ではないが、わざわざ読むほどの魅力があるかと言われれば疑問。