一日一冊『世界一やさしい問題解決の授業』渡辺健介

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

今日の一冊は『世界一やさしい問題解決の授業』渡辺健介。教師からの推薦書。タイトルは聞いたことがあった。

「世界一やさしい」は言いすぎだと思うが、問題解決に関して、やさしく書かれている。問題解決ができるとどうなるのか、そもそも問題解決ってなに、というレベルから話がはじまり、二つの事例を通じて、問題解決に至るまでの流れや考え方といった、問題解決のための一つの思考法を教えてくれる。

茶色の表紙、中はカラーで、鉛筆で書かれたようなやわらかいタッチの挿絵がたくさんはいっている。文字は大きく、行間は広い。読みやすくなるよう工夫されている。

とにかく「やさしい」ことが良いことだ。何度も書くが「世界一」は言いすぎだと思うが、やさしいのは確かだ。先にも書いた読み易さ、事例の身近さは、すごく大切なことだと思うし、良いことだと思う。

ただ、やさしいだけではなくて、問題解決の思考法について、本質的な部分を決して外していないことも良い。一つの事例「問題の原因を見極め、打ち手を考える」を例に出せば、問題の原因の洗い出し、原因の仮説、分析、対策の検討、対策の実施。一連の流れが抜けなく書かれているし、その過程で「分類の木」や「課題分析シート」など、実際に使用される図が登場する。

小・中・高といった学生を対象にしているのかもしれないが、大人になってしまった私でもすごく良いと思った。

たかだか100ページの本が1200円は安くはないが、高くもないと思う。私は図書館で借りたが、一冊買ってもいいかなと思った。良書。