一日一冊『エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室』佐藤友哉

今日の一冊は『エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室』佐藤友哉『フリッカー式』の人。

コスプレにドッペルゲンガーカニバリズムに予言者にいじめに密室殺人にと相変わらずの変態ぷり。万人にすすめられないし、PTAのオバさま方には読ませたくない。ただ『フリッカー式』より読みやすくなったように思う。嫌なにおいも一割くらいマシになった気がする。作者が変わったのではなく、自分が変えられているという可能性はある。一言でまとめるなら「白くてネバネバしたなにか」が妥当。

密室殺人がごく自然に見えるくらいに、人を食ったり、いじめたりの描写が強い。つながりの見えない話が最後にえいやっと一つになる。トンデモとしか言えない設定なのに、なぜか読み終えたときにすっきりした。良かった。