一日一冊『クリムゾンの迷宮』貴志祐介

今日の一冊は『クリムゾンの迷宮』貴志祐介。友人が「アマゾンレビューですごいほめられてるけど、どこがいいのかちっともわからなかった。お前が読んで一般人の意見を教えてくれ」てなことを言ってたので読んでみた。超劣化版バトルロワイアルと聞いてわくわくしながら読んだ。べたぼめするほどではないが、面白くないわけでもない。読みやすいのはいいと思う。適度にチェックポイント(笑)があって読みやすいと思う。

で、簡単に内容を説明すると、主人公はゲームに参加させられる。バトル・ロワイアルみたいな感じで、誰かに放り込まれる形で参加を強制される。ゲームの内容は、各チェックポイントを通過してゴールを目指す、というもの。

これだけじゃ、「どこがバトルロワイアルなんだ」という感じなんだけど、主人公が思い込んでいた通り、最後は殺し合いになった。念のためもう一度書くと、「主人公が思い込んでいた通り」最後は殺し合いになった。ゲーム主催者側が殺し合いがどうとか言う前から、ゼロサムゲームがどうたら考えたり、最後の一人以外はダメなんだてなことを考えていた。空気読みすぎ。

次に、チェックポイント。表紙には「プレイヤーはチェックポイントにおいて、進路に関する選択肢を与えられる」なんて書いてあるんだけど、友人の言ったとおり選択肢はない。最初のチェックポイント以降は一本道。第二チェックポイント後で黒幕に気づいた。明らかに言動がおかしい。それ以降もその線を強くする情報しかでてこない。まさに一本道。

さらに、表紙の話。ほかにも表紙には生存に役立つアイテムがどうとか、プレイヤーは協力も敵対も任意だとか書いてあるんだけど、ないね。これらも無意味。全部無意味。アイテムの入手は最初だけ、協力も敵対も強制イベント。

主人公がサバイバルしたり、意味もなく女といちゃついたりしてる一方で、他の参加者の頭がおかしくなる。気づいたら変になってました!びっくり!っていう展開。でも、そもそも最初の分かれ道以降は、他の登場人物は居るのか居ないのかもわからない状態だし、人が死んでても結構冷静にカウントとかしちゃうし、違う意味でびっくりさせられる。

アクション映画見る要領で、特に深く考えず読むと、いいんじゃないかな。